会議で反対意見が出ないとき、私たちはしばしば「雰囲気が悪い」と感じる。しかし問題は雰囲気ではない。構造である。
反対意見が出ない理由は、参加者が従順だからでも、勇気が足りないからでもない。
多くの場合、その会議はすでに結論が決まっている。あるいは、結論を変える権限が会議の外にある。そのとき、発言は意味を持たなくなる。意味を持たない発言は、やがて消える。
会議には少なくとも三つの機能がある。
推進する機能。
実行を担う機能。
そして批評する機能。
この三つが明確でない場合、批評は個人攻撃と混同される。
すると、反対意見は「空気を読まない行為」とみなされる。
やがて沈黙が常態化する。
反対意見が出ない会議は、秩序が保たれているように見える。
しかし実際には、判断の偏りが修正されない状態にある。
それは安定ではなく、修正機能の停止である。
重要なのは、反対意見を歓迎することではない。
批評が機能として存在していることだ。
役割としての批評が明確であれば、反対は人格否定ではなく、
構造上の必要行為になる。
会議の質は、合意の速さでは測れない。
判断が修正可能な構造にあるかどうかで決まる。
沈黙はしばしば人の問題として語られる。
しかし、沈黙を生んでいるのは構造の偏りであることが多い。
組織が変化に強くなるためには、反対意見が「出る」ことではなく、
反対が「機能する」構造を持つことが必要である。

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